「鏝って、どれも同じじゃないの❓」と思ったことはありませんか?
現場で使われる左官鏝(さかんごて)は、用途や仕上がりに応じてさまざまな種類があります。このシリーズでは、それぞれの鏝の特徴や選び方、使い分けのコツをわかりやすく解説していきます。今回は「道路鏝(どうろごて)」をご紹介させていただきます。
1.道路鏝とは❓
道路鏝は面引き鏝の一種になります。主に道路舗装工事、土間舗装工事に使われる左官道具です。アスファルトやモルタルの表面を均一に整え、角の面を斜めにするために使われます。
2.道路鏝の部位と寸法:甲ら巾・羽根巾・R(直径)とは❓
道路鏝には次のような部位の寸法が設けられています。
🔷甲ら巾(こうらはば):中央の背骨部分(甲)の幅になります。
🔷羽根巾(はねはば):甲らの片側にある羽の部分の幅になります。
🔷R(直径):甲らと羽根の接合部分のコーナー円の大きさになります。
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各名称の巾の場所 | 入隅の角の大きさを表す |
3.サイズの違いによる使い分けは❓
鏝の大きさは主に120mm・150mmのサイズがあります。狭い現場や細かい補修作業には、小ぶりな甲ら巾・羽根巾の鏝が向いています。
また、Rの大きさで仕上がりが変わり数字が小さいほど鋭利な角に仕上り、大きいほど緩やかな曲線になります。大きさは面無し~15mmまであります。曲面や縁の整形にはRが小さい鏝を使うことで、細かく精度の高い作業が可能になります。
使用する作業環境や、求められる仕上がりに応じて使用者自身で判断をして、使い分けることがポイントです。
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長さ・甲ら巾・羽根巾・Rによって違いがある |
4.道路鏝の角度が135度なのはなぜ❓
道路鏝の甲らと羽根の角度が135度になっているのは、打設時に使う面木の角度に合わせています。この角度により鏝が面に自然とフィットしやすく、力が均等に伝わるので長時間作業でも手首や腕への負担が少なくなります。
最後に
道路鏝は、見た目はシンプルですが、細部にまで使い手のための工夫が詰め込まれています。目的や現場の状況に応じて最適な一本を選ぶことで、より美しい仕上がりと作業効率の向上が期待できます。
製品選びで迷われた際は、どうぞお気軽にご相談ください。